恐怖のMr.ドリラー
皆さまこんにちは。
この世の中で一番怖いものは?と聞かれたら『妻のマジギレした時の声です!』って即答しちゃう駄目旦那のザッキーです。
普段の可愛らしくて、とっても愛くるしい声が一変、本気で怒った時の妻の声はそれはなんとも形容しがたい音声となります。
思い出しただけでもとても怖い・・・。
さて、そんな妻のマジギレを日々恐れているザッキーですが、世の中にもう一つだけ怖いものがあります。
歯医者
でございます。
あのドリルのキュルキュル音、独特な香り、無駄に快適なリクライニング機能付きの椅子、どれもが恐怖をあおって来ます。
今回はそんな苦手な歯医者に、意を決して行ってきました!!
と言うお話しを順を追って皆さまにお届けしていきます。
〜歯医者と決闘当日の朝〜
この日は朝からどうも虫歯が気になってなりませんでした。
おかしい、昨日の晩に食べたキャベツが虫歯にハマって取れていない・・・。
気持ち悪い・・・。
いや、気持ち悪いどころか、ほんの少し痛みすら感じる・・・。
男には避けては通れぬ戦いがあるとはよく言ったもので、戦いを好まない平和主義な私も意を決して戦わねばならぬ日が来たのである。
〜決闘の申し込み〜
歯医者との決闘の為に、決闘時刻を相手方にお伝えするために電話をかける私。
『お電話ありがとうございます、サクラ歯科(仮名)でございます!』
でたっ!
ワンコールで出た!
はやっ!
と思い、あわてて電話を切る私・・・。
・・・えっ?
いや、だってほら、緊張のあまりつい・・・。
※なんて迷惑なザッキー
まさか電話だけで相手をビビらせるとは、なかなかの圧を放つじゃないか、サクラ歯科(仮名)よ・・・。
※サクラ歯科様(仮名)その節はご迷惑をおかけしました。
電話ごときでビビってどうするんだザッキー!
と自分に言い聞かせ、再度電話!
緊張のあまり、上ずった声で何とか決闘時刻を指定の上、申し込むことができました。
〜出陣〜
決戦の地となる、サクラ歯科(仮名)は自宅より徒歩で5分程の所にあります。
決闘の時間まで残り2時間、手に汗が滲み、心が落ち着かない・・・。
脳裏によぎるのはドリルのキュルキュル音。
気付いた時、ほんの少しだけ身体が震えておりました。
この震えはビビっての震えではなく、武者震いだ・・・早く歯医者の時間来ないかな〜。
などと自分を騙しつつも、内心とっても穏やかでない私。
ついにはジッとしてはいれなくなり、予約1時間前に出陣!
〜サクラ歯科(仮名)に到着〜
自宅から徒歩5分のところに位置するサクラ歯科(仮名)。
1時間前に家を出るだけでなく冷静でない私は、あろうことか自転車で向かってしまいました・・・。
やってしまった・・・。
58分も早く着いてしまった・・・。
妻にもビビっているのを悟られまいと、15時予約のところを『14時15分から予約だよ〜』と言って家を出てしまい、早く着いてしまった・・・。
家で待っていればテレビを観るなり、本を読むなりして時間を潰せたものを、時間を潰せるものは手に持ったスマートフォンしかない。
そんな頼りのスマートフォンですら残バッテリー13%と表示し、私を見捨てるありさま・・・。
正直、怖い。
歯医者を前にし、おののく私。
家を早く出てくるんじゃなかった。
なんてことを考えて歯医者の入り口に突っ立っていると中から受付のお姉さんが出てきて『予約の方ですか?どうぞお入りください!』と丁寧に案内してくださいました。
教育が行き届きすぎているぞ!
まだ心の準備ができてないぞ!
そちらはいつでも戦う準備は出来てるのかもしれないが、ザッキーは今内心とんでもないことになっているぞ!!
なんてことを考えながら、敵地に足を踏み入れることになってしまいした。
〜サクラ歯科(仮名)待合室にて〜
『ザッキーさんは何時の予約ですか?』と聞いてくるお姉さんに対し『いや〜、実は15時からなんですよ〜!まだ40分近くも時間ありますよね〜、すいません、早く来ちゃいました〜』と、いかにもビビってなんか居ませんよアピールをする私。
むしろ歯医者楽しみで早く来ちゃったんだよね〜!
って思われてもおかしくない素振りを見せる私!
ナイスだザッキー!
神対応だザッキー!
これで敵に侮られることは無いだろ!
なんてことを思っていたら『そうなんですね〜、そしたら問診票を書きながらゆっくり席でお待ちいただけますか?』と軽くあしらわれてしまう私・・・。
正直ちょっと恥ずかしい・・・。
ほんの少し赤面しながら問診票とペンを受け取り、席で書こうとした時、事件は起きました。
〜診察室から聞こえる大絶叫〜
なんとも耳障りなドリル音が聞こえたかと思うと『は〜い、そしたら今から削っていくからね〜、痛かったら左手あげて教えてね〜』という先生の優しいフリをした声。
その次の瞬間に聞こえて来た『ギャ〜〜〜!!』
という大絶叫・・・。
いや、マジで怖いし・・・。
帰りたい・・・妻に会いたい・・・。
敵前逃亡したい・・・。
私はこの時「るろうに剣心」という漫画で、主人公が新撰組の斎藤一に対し『新撰組の男は退くことを知らんな』とカッコ良く言う名シーンを思い出しました。
しかし、そんな名シーン、名ゼリフに反してザッキーの脳内では続けて
『ザッキーと言う男は退くことを知っている!』
というセリフが出てまいりました。
そうだ、今からでも遅くない!
こんな危険なところからは早々におさらばしちゃおう!
今すぐ受付のお姉さんに『すいません!ちょっと急な仕事が入ってしまいまして!』って言えばすぐに帰れるじゃないか!!
なんて考えていたら診療室から
『ザッキーさ〜ん』
と名前を呼ばれてしまいました。
そうです、あれこれ考えていたら、私の番が回って来たようです。
〜診療室・死刑宣告〜
名前を呼ばれてしまい、もう逃げ出すことが出来ないんだと覚悟した私は診察室の扉を開けました。
扉を開けた先に待ち構えていたのは、少しガッチリした38歳ぐらいの優しそうな歯医者さんでした。
はは〜ん、あなたが私の決闘相手ですね?
覚悟を決めた私、ビビることなくリクライニング機能が付いたイスに座りました。
『は〜い、そしたらまずは虫歯の状況を見ていこうね〜。問診票に書いてくれてた虫歯は・・・4箇所かな?』
と言いながら問診票に目を通しつつプシュプシュと、あの風が出る器具の動作確認をしながら喋りかけてくる歯医者さん。
・・・怖い。
その手慣れてる感じがとても怖い。
そんな手慣れてる一見優男の歯医者さんにより虫歯調査を受けること約5分。
『はい、確認終わりました〜。ザッキーさん、歯医者久々でしょ〜。虫歯めっちゃ有りますわ〜』
とマスク越しからも分かる憎たらしい笑顔で丁寧に虫歯の位置を教えてくださりました。
私が『えっ?そんな有ります?4箇所ちゃいます?』と質問すると
はい、計12箇所有りますね〜
おいおい、なにかの間違いだろ?
と思い、改めて『いやいや、4箇所ですよね?』と確認しました。
いやいや、立派な虫歯が8箇所と小さい虫歯が4箇所・・・うん?待てよ?
あ、もう1箇所小さいの有りますね〜。
計13箇所ですわ〜。
と笑顔で死刑宣告をしてくる歯医者さん。
1箇所増えた!
まさかの1箇所増えた〜!!!!
その様に心で絶叫する私を華麗にスルーし、今後の治療スケジュールは二ヶ月かけてしっかり治そうねと懇切丁寧に話してくださる優男歯科医師・・・。
決闘だのなんだのと考えてた予約する前の自分に言ってやりたい・・・。
決闘どころか、一方的な勝負だよ。
なんなら処刑だよ。
罪状
虫歯の長期間放置
判決
虫歯ドリルの刑
刑期二ヶ月
・・・チ〜ン
そんな事を考えていて、全く今後の治療内容が頭に入って来ませんでした。
入って来たのは二ヶ月と言う途方も無い治療期間という名の刑期のみでした。
〜死刑執行〜
リクライニング式のイスに座る私は完全に硬直してしまい、まさにまな板の上に横たわるコイ。
もう好きにしてくれ歯医者さんよ、ひと思いにドリドリやってくれ・・・。
キュイーン!!!
シュゴゴゴゴ!!!!
とてつもない機械音が鳴り響き、次の瞬間虫歯が削られるのを感じました。
ムリ〜!!!!
怖い〜!!!!
叫びたくても口元動かすと歯茎にドリドリされそうで叫べない〜!!
ちょっと痛い!!!
なんてことを考えていると
おっ、ザッキーさん意外と我慢強いですね〜。
そしたらもうちょっと根元の方治療しても大丈夫かな??
と言い出す歯医者さん。
なんてことを言い出すんだ!
痛いし怖いから喋れないだけで、我慢してるわけではない!
叫べるものなら今すぐ叫んでやりたい!!
そんな思いは歯医者さんに伝わるはずもなく、この後根元まで治療されて激痛を味わうことになりましたとさ・・・。
〜治療おわり〜
そんなこんなが有り、治療を終え診察室から出る時にはフラフラでした。
会計を済ませ帰ろうとする私に歯医者さんが
今後、長い付き合いになりそうですね、よろしくお願いします。
と一言、挨拶をしに出てきて下さりました。
もう二度と会いたくね〜よ・・・。
今日一日で終わりたかったよ・・・。
ザッキーの戦いは今始まったばかりだ!!!
って感じで、打ち切り漫画の様にここで治療終わり〜!
とかならないかな?
って考えつつも、現実はそんなに甘くないという事を肌でヒシヒシと感じ、歯医者を後にするザッキーなのでした。
おわり
ザッキーの虫歯撲滅への道はこれからも続く!
※ご愛読ありがとうございました!ザッキー先生の次回作をこう期待!